CEDEC2019感想 〜インタラクティブセッション〜

2019/9/4(水)〜6(金)で開催されたCEDEC2019を見学してきたので感想をば。

ここではインタラクティブセッションについてです。

インタラクティブセッションとは:

通常セッションは登壇者がスライドを使って発表形式であるテーマについて話すのに対し、インタラクティブセッションは開発者がハード/ソフトに関わらず、ゲームに携わる(可能性のある)何らかの展示を行う。

多くは体験型になっており、見学者は展示物を体験したのちに開発者の解説を直に聞くことができる。

私は通常セッションよりインタラクティブセッションを楽しみにCEDECいくことが多いです。

通常セッションはタイムシフト視聴できるし。

錯覚的に触覚体験を生起させるaudio-visualな表現方法と、錯覚体験の個人差を軽減するインタラクションシステム

人間の動きを入力として、仮想空間のキャラクターと現実の人間の動作をリンクさせた場合、

  • 仮想空間内のオブジェクトとキャラクターの干渉
  • 現実世界の物体と身体の干渉

により動きや触覚による差が出てしまい、仮想空間に入り込んだ「没入感」に違和感が出てしまう。

触覚を擬似的に体験させるデバイスの開発、現実世界の物体と仮想空間のオブジェクトも同時にリンクさせるなどのアプローチが考えられるが、

ここでは仮想空間内でのキャラクターの動作を制限し、ユーザーの入力を単純化(3次元の動き→2次元に落とす、指を動かす→開く/握るの01にする など)して仮想空間のキャラクターに落とし込むことで、没入感の違和感を軽減できないかを考えている。

体験できたのは、以下の2パターンのVR体験を比較するもの

VR空間内に3つのレバーとキャラクターの腕が存在し、 現実世界の身体の腕の動きとリンクしてレバーを引くことができる

一つ目のレバーはユーザーが手を動かしただけレバーも動作するが、二つ目、三つ目のレバーは移動量が制限されており、レバーの重さを表現している。 現実で手を引いた分レバーが動くわけではないので、没入感に差分が出る

VR空間内に重さの違う3つのレバーとキャラクターの腕が存在し、ユーザー操作でレバーを押し引きするのは同じ

違うのは

  • ユーザーの目線で3つのレバーのうちどれを動かすかを決定
  • ユーザーの腕の動きは特定のベクトルに射影され、レバーを押す/引くの動作しか行えない

さて、どちらが違和感が少なかったかというと、⓶でした。

このように、没入感を高めるための新しいアプローチとして「動作の次元を落とす」ことを考えた面白い研究でした。

メタリム:第三・第四の腕を用いた身体性編集

足で機械のアームを操作する。 自分の手が自由な状態で機械のアームを使うことができればめっちゃ作業できるんじゃね?という研究。

疑問だったのは、アームが増えたところで人間が4本の腕を効率的に使うことはできるのだろうか?というところ。

先にVR等でシミュレーションしてもよかったかもですね。(謎の上から目線)

さながら現実!自由に視聴点を変えられるVR用立体音響技術

音源の発生地点とその音を聞く地点、部屋の大きさと壁の反射/吸収係数のパラメータがあれば、VRで視点を自由に変えられるように、聴点も自由に変えられるのでは?という研究。

現状は計算コストの問題で、入力となる音源以外の全てのパラメータ以外を事前に計算しておく必要があるとのこと。

つまり、現段階では自由に聴点を変えるところまでには至っていないとのこと。 まあ計算コストの問題なら時間がすぐ解決するよね。

こういう技術ってVR界隈で今までなかったのか、と不思議に感じるほど根底にあって、これからの必須機能になっていきそうです。期待。

未来のエンタテインメントを見据えた「ゲーム機をデザインする」教育

大学の学生が自由に新しいゲームをデザインし、展示する。

今回展示されていたのは2つ。

4*4の16個のパネルを順に踏んでいく。移動は左右上下のみ。

パネルにはそれぞれ踏める回数が設定されていて、16個のパネルを綺麗に踏み切ることができればクリア。

物理的に移動する自機と障害物があり、自機の後ろから強い光を当てて壁に影を投影する。

プレイヤーは影のみを見ながら自機を操作して、障害物を避けつつゴールを目指す。

ゲーム開発者としては「考えること」を大事にしなきゃねってことを思い出させてくれる展示でした。





今回見学して気になったのはこれくらいです。

CEDECみたいなイベントがあると開発者としてのモチベーション上がりますね。

ゲーム開発に携わっている方、これから携わりたいと思っている方はぜひ調べてみてはいかがでしょうか。