『アンクローズ・ヒューマン』に心打たれた話

筆者がwowakaと出会い、別れ、再び出会うお話です。


筆者の背景

  • 2008年頃からボカロにどハマりして、数年間"週刊VOCALOIDランキング(通称ぼからん)"を追いかける
    • 青春時代にはいつもボカロが隣にいたと言っても過言ではない
  • 2015年頃までボカロを追いかけ続けるが、社会に出て一時期ボカロから遠ざかる
  • 数ヶ月から流行のボカロ曲や好きだったPの曲を漁って作業用BGMにするようになる
    • 流行りのボカロ曲が各種音ゲーに収録されるようになった事がきっかけ


wowakaとの出会い

言葉を選ばずに発言すると、ボカロファンでwowakaを知らない人は潜りだと思う。

『裏表ラバーズ』や『ローリンガール』、『ワールズエンド・ダンスホール』で一世を風靡し、ハチやCosMoなどと肩を並べ、間違いなくボカロの歴史に名を刻む有名Pだ。

かくいう私もぼからんで『とおせんぼ』を聞いて以降、(あくまでニコ動の中で)彼を追いかけていた。

ただそれでも、私の中でwowakaは「有名Pの一人」くらいの認識だった。

『アンハッピーリフレイン』を最後にwowakaはニコ動を離れ、他の有名Pと同様、ニコ動という世界を飛び越えてヒトリエというバンドでメジャーデビューを果たす。


『アンノウン・マザーグース

2017年、ボーカロイド10周年にハチ(米津玄師)の『砂の惑星』を皮切りに有名Pや歌い手が続々と動画を投稿した。

そんな中、wowakaもニコ動では実に6年振りに『アンノウン・マザーグース』を投稿。

投稿当時は正直wowakaらしいキャッチーなサビではなかったなあ…程度の印象だった。

再生数の伸びも全盛期のwowakaと比べるとそれほどではなかったと思う。それでもすごい再生数だったが。


wowaka追悼ライブ

さらに時は流れ2019年4月、wowakaが急逝したとのニュースは、にわかだったはずの私にもそれなりの衝撃を与えた。

2019年6月、ヒトリエによる追悼ライブを後日タイムシフトで視聴。

https://live.nicovideo.jp/gate/lv320459887


ヒトリエメンバーとファンがwowakaの死を受け入れるための大事なイベントなのだと感じた。


ローリンガール』はみんなと声を張り上げたかった。

もっとも、画面の前で涙を堪えながら息を押し殺していたので、その場にいたところで声を出せたか分からないが。


公式ではなさそうなのでリンクは貼らないが、「wowaka追悼ライブ」で調べるとYouTubeで動画が出て来るようだ。気になる方は自己責任でご視聴を。



再び『アンノウン・マザーグース

タイムシフト視聴終了後、wowaka関連の動画を漁った。

ニコ動への最後の投稿である、『アンノウン・マザーグース』も再び聞いた。

当時のwowaka曲にはあまり見られなかった静かな伴奏に「世界があたしを拒んでも 今、愛の唄 歌わせてくれないかな 」という歌詞が刺さった。

私の中で、wowakaという存在は想像以上に大きかったのかもしれない。


『アンクローズ・ヒューマン』

数ヶ月後、2019年10月。ぼうっとニコ動のランキングを眺めていると、あるサムネイルが私の目に止まった。

どこからどうみてもwowaka。動画投稿文には「Thanks wowaka」。

wowakaのコピーバンド、追悼曲(?)であることを察して構えた。今のご時世人の死は荒れやすい題材だ。


だが、再生してそんな不安は消え去った。

視聴者のコメント。動画・メロディ・歌詞。どれをとってもwowakaへの愛が溢れていた。

気づくと、ラストの転調で涙が流れていた。





「あなたの居場所を いつまでも守ってるよ、と」。

あなたが守ってくれたおれたちの居場所を。












Thanks wowaka